「文体・描写」「構成」ときて次に何がくると思っただろうか?
次に来るのは「創造力」、予想外の言葉だろうか?
じつはこの3点の重要性、小説の要素を書いたのは「悲の器」で第一回文藝賞を受賞した高橋和巳氏の
何かの本に書いてあったことにすぎない。
もっとも、そこには文体、構成、想像力(創造力?)
としか書いていなかったが。

文学になぜ「創造力」が必要なのか?

じっさい答えられる人はそうはいない。

最近の芥川賞受賞作の多くでは、ストーリーが平坦化している。
「おばあちゃんのところに居候し、仕事に出かけ
狭い世界の中で日々意を過ごす」
これが芥川賞の受賞パターンの極限イメージとなっている。
もっと、極端な考え方で言えば、純文学系の新人賞の選考過程における
作品の選び方がほぼこれにあてはまる。
より技巧は評価されるが、描写は低く見られ、それ以上に面白さは徹底的に排除される。

だから、「文学は死んだ」などと言われて久しいことになる。

死んだはずの文学をよみがえらせるのが創造力なのだが、
これについてはおいおい書いていくことにします。